2019 年 35 巻 2 号 p. 133-138
脳動静脈瘻(pial arteriovenous fistula)は,脳動脈と脳静脈が直接接続する血管異常を持ち,頭蓋内シャント性病変のうち1.6–4.8%程度を占める比較的まれな疾患である1).画像の特徴として,MRAや脳血管造影検査で脳主幹動脈や皮質動脈を流入路とし皮質静脈を流出路とする血管異常が見られる1).病態については不明な点が多いが,未治療の場合は予後不良との報告もあることから2),早期発見・早期治療が重要であると考えられる.今回発達遅滞を伴い,無熱性けいれんを契機に見つかった脳動静脈瘻の一例を経験したので報告する.