写真測量
Online ISSN : 1884-3980
Print ISSN : 0549-4451
ISSN-L : 0549-4451
モデル変形の実験
上合 良吉
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 1 巻 2 号 p. 66-72

詳細
抄録

写真測量における測定は, 一対の写真を肉眼立体視することによって眺められる立体模像上で行われることは周知の通りである。この模像を通常モデルと称すするが, このモデルは往々にして歪をおこす。歪は, 一口にいって, 各写真像に, 何等かの原因によって変位が生じている為に起るものである。変位の方は単に写真平面上のものに過ぎないが, モデルの歪は立体的なものである。
この関係は, 現在まだよく判っていない。理論的なものでは一, 二発表された研究はあるが, 機械法では実験の仕様がないので殆んど放置されている。
所が解析法では, この実験が極めて容易である。それは任意のモデルの任意の点の写真座標を変位させて, 標準のものと比較することが出来るからである。機械法では, 標準のものを任意のケースについて造ること自体が既に難しい。
この報告は, モデルの変形について行った極あて初歩的な実験の紹介であって, 1960年10月測地学会で講演したものを骨子とした。その後学会発足まで有志によって構成された解析写真測量研究グループのメンバーである村岡一男氏の, この問題に関する詳細な研究があるので, 何れ本紙に紹介されるものと信ずる。詳細については同氏の発表にまちたい。

著者関連情報
© 社団法人 日本写真測量学会
前の記事 次の記事
feedback
Top