1973 年 12 巻 1 号 p. 1-10
本論文では, 二層写真測量における解析的標定法についての2つの新しい方法が提案されている。従来, 二層写真の標定は交会条件を用いて行なわれてきたが, この場合, 相互標定の過程において, 未知数間の相関が大きいため, 得られる精度が良好でないという欠点があり, 得られた結果の修正が必要であった。本論文に提案された方法は通常の単写真の標定理論に基づくものであり, また非常に一般化された形となっているため, 種々の状態への適用が可能となっている。
これらの方法は3種類の実験モデルを使って検証され, 実際の場において得られる精度, その他が調査されたが, その結果, 二層写真測量における解析的標定法として十分使用可能であることがわかった。