写真測量
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草津―万座地熱異常地域の熱赤外映像撮影結果
長谷 紘和西村 嘉四郎
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1973 年 12 巻 3 号 p. 1-12

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抄録

草津―万座地熱異常地を対象にして得られた, 空中および地上用熱赤外線映像装置による地熱異常の撮像結果について報告し, 若干の考察を試みる。
対象地城は地質学的には北部フォッサマグナ地城の一部に相当し, 第三紀中新世以降の活発な火山活動によって形成された安山岩熔岩および同火山砕屑岩の基盤上に今日見られる白根火山を中心とする火山・地熱地城が形成された。草津白根火山は有史以来たびたび爆発したが, 最近では1937-39年に活動して以来静穏である。
空中からの撮像は1972年8月19日未明行なわれ, その結果地域内の主要な地熱異常地が熱赤外映像上にカバーされた。撮像結果のうち殺生河原地熱異常地については, 撮像結果をカラー濃度測定装置により解析し, これと既存の積雪を利用した放熱量図とを比較することによって赤外映像から識別される地熱異常の限界を考察した。また, 映像中に表現された地表面温度“異常”帯および白根山頂付近の熱パターンについて説明を行なった。
地上装置による撮像は1972年8, 月31日~9月2日にかけて, 地域内の顕著な地熱異常地の一つである万座の“からふき”地熱異常地を対象にして行なわれた。撮像は夜間と昼間に行なわれ, 地熱異常のマッピングにおける夜間映像と昼間映像の比較が行なわれた。また撮像の際の2・3の問題点について議論がなされた。
この地域は引つづき1973年にも空中撮像が計画されており, 詳細な議論はその後に行う予定である。

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