地球資源衛星 (Earth Resources Technology Satellite; ERTS) のマルチスペクトル映像のオリジナルデータは, いわゆるERTS写真ではなくて, 有効7ビットであらわされたディジタルな画像データである。このディジタルデータは, 1画面について4巻の9トラックの磁気テープに格納されており, 1画面について3240画素×2340スキャンラインの画像データが4つのスペクトルバンドに対してそれぞれ記録されている。これらのディジタルデータは, 写真になおされたアナログ画像よりはるかに解像力があり, 詳細な画像解析にきわめて有用である。
しかしながら, これらのディジタルデータは, いわゆる幾何学的および地理的な補正が完全にはなされていないために, 画像データの地理的な位置を確定するための地理的補正を施さなければならない。本研究は, 画像座標とか選び出して, 座標変換を行いその精度について検討し, 今後ERTSディジタルデータを用いる場合の, 基準点および変換式についての提言を行おうとしたものである。本研究によれば, 基準点および変換式を適切にあてはめれば, 最小二乗法による残差の最大値がほぼ2画素, 中等誤差で1画素程度にまで精度を高めることが可能である。