写真測量とリモートセンシング
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写真測量による三次元微偏位量測定
栗原 昭八朝田 弘志白柳 敏行松下 和徳
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1975 年 14 巻 2 号 p. 21-28

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抄録

この模型実験の主要なテーマは理論値通りの模型が作製できるか, 又載荷変形が理論値通りに表われるか, 更にこの模型の破壊機構をみることにある。
テストは模型に何種類かの載荷々重をし, その代表的な何種類かの立体写真を得た。各載荷パターン毎に得た写真は大別して, 無載荷の初期形と何種かの載荷々重をした偏位形がある。この初期形の写真と偏位形の写真の左側どうし, 又右側どうしを立体観測すると偏位した所だけが縦視差又は横視差となって表われる。このPx, Pyを数値として抽出し, 偏位量を求めれば微偏位量が得られるはずである。この新しいカメロン効果の適用は各載荷パタ, ーンごとに得られた写真を立体観測して, その座標を比較する方法に比し, より良い結果を得る。又この方法はラチスシェルの格子点の測定位置が必ずしも同一でなくても充分可能である。更に模型の格子点が模型の端で見づらくなるということも完全に解消してくれる。
ここで得たPx, Pyと初期形の左右写真座標 (XL, YL, XRYR) を組み合わせることにより, 偏位量は計算できる。その結果, 偏位量の精度は平面で±0.25mm (密着±10μ以内) 最大0.4mm, 高さ方向で±0.5mm位 (H/6000) 最大1mm位の値を得た。平面偏位に関しては初期の目的を達成し得たと考えているが, 高さ方向については不満足な値で終ってしまった。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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