写真測量とリモートセンシング
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計画設計のシステム化へのアプローチ
萩原 靖之味生 威出水田 勉吉田 隆光
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1976 年 15 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

社会の複雑化は, 国民の価値感を多様化させ, 建設事業計画の立案は地形図のみでは用を足さなくなってきた。航空写真は, 地形情報の他に環境情報をも提供し得る点において不可欠のものとなっている。
本研究では, 土木計画のプロセスを
(1) 地形情報の処理とその精度向上
(2) 環境情報の処理とその精度向上
と考え, 先づ第一ステップとして, 地形に対する技術的問題のシステム化を意図した。システム化の隘路は, 地形情報の入手作業に多大な労力を要すること。また地形図は, 計画設計に必須であるが, 以後の数値処理には適していないこと等である。本研究では, 解析空三処理後, 地形図作成の段階で, 等高線沿いに地形データを自動的に抽出してDTMを作成する方法を開発し, 現況地形の分析, 把握および以後の計画設計積算と航空測量とを一元化することであった。
そして, 本システムの開発の結果, 以下の諸項を確認できた。
1.オリジナルDMTの自動作成が容易である。
2.オリジナルDMTより設計用格子DMTへの変換が容易である。
3.設計用格子DTMの精度は地形図の精度と同程度に出来, 計画設計用としてはしては十分である。
4.DTMファイルの中には等高線データのみならず主要点, 道路, 河川, 土地利用状況, その他重要な情報をも含むことができる。
5.更に環境情報等を加へたファイルを作成すれば最適計画への可能性が期待できる。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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