抄録
LANDSATデータを種々な目的に利用する上で重要な役割を果すのが, 地形図との対応である。どんな有益な情報も現地との正確な対応が容易に行えないならば, それを生かすことがむつかしい。ここではLANDSATデータを正確に容易に地形図と対応づける方法を考察し, 実験的にLANDSAT MAPなるものを作成した。
LANDSAT MAPの概要は次のようである。すなわち, 米国により収集されたLANDSATによるMSSCCTデータは軌道方向とそれにほぼ直角な方向とを軸とする斜交座標系の上に並んでいる。このデータから, 2万5千分の1地形図と範囲が同じで, しかも, 東西に平行な配列を有する実用的なLANDS AT MSS CCTデータの作成を試みた。いまこれを仮に, 2万5千分の1LANDSAT MAPと呼んでいる。
地形図との位置の重なりの程度は地上基準点における画像標定の残差から, ±40m以内と推定される。
本論文は次の内容より成りたっている。
(1) LANDSAT画像標定のための地上基準点の選び方およびその実例
(2) LANDSAT画像上での地上基準点の位置測定の方法と標定方法およびその精度
(3) LANDSAT MAPの概念
(4) LANDSAT MAP作成のアルゴリズム
(5) LANDSAT MAPの試作とその評価