抄録
沿岸環境や水質汚染の監視のために, 水面からの反射スペクトルの特性と水質との関連を明らかにする必要がある。こうした目的に沿って1975年から1977年までに筆者等は, いろいろな湖や海域で水面からの反射スペクトルの測定と同時に, 透明度等の水質調査を行なってきた。特に採水した試水については, 光学的な水質項目である懸濁物質量とクロロフィル量の分析を行なった。
本論では, 以上の観測結果から, 水面からの反射スペクトルと水質との関連についての検討を行なった.これらの結果として, 汚濁の強い水域では清澄な水域より, 反射率が高いので, 水質の指標として水面反射率の測定は有効であると結論できる。