抄録
この論文は空中写真対のステレオマッチングで, マッチングの迷走を防ぐ手段としてパッチ単位ごとのマッチングを提案し, それが有効であることを実験で示した。アルゴリズムの主たる構造は次のようである。
(1) 図化領域の左画像を約250×250画素, 右画像を約250×400画素の重複するパッチにわけ, マッチングは各パッチで独立に実行する。
(2) 左パッチに格子点をとり, その右画像上の対応点を探索するが, 最初低周波域の粗いマッチングから始め, 高周波域の細かいマッチングに収束させる3段階の過程をとる。格子点密度も最初は疎にし, しだいに密に配置する。
(3) 対応点は位置の整合性を満たすよう制約条件を付け, 探索幅を狭めると同時に迷走を防ぐ。
(4) 相関を低下させる位相歪はくり返し相関によって除いていく。