抄録
本研究では既存のデータセットと簡略化した水収支モデルを用いて各月の蒸発散及び水収支の30分メッシュグローバルデータセットを作成した。他の方法による研究と比較した結果, 蒸発散及び水収支は良い精度で求められた。特に全陸域における蒸発散量と流出量はBaumgartner and Reichelの推定値とよく一致した。また, 本研究で得た蒸発散量と観測値との相関係数は0.89-0.95であった。緯度帯において他の方法による分布と比較した結果, 本研究で得られた水余剰は45°N-75°N付近, 水不足は10°S-30°S付近で他の方法より多く推定されている。しかし蒸発散量は一部高緯度地域を除いてよく一致した分布が得られた。さらに, 国毎の水資源の評価のため, 本研究で作成したデータセットと各国の統計値を比較した。