本研究は単写真測量を用いて水平方向と鉛直方向の風の流れを測定するシステムを開発し, 地上付近の風の3次元観測法としての写真測量手法の構築を目的としたものである。
このシステムは1台の35mmスティルカメラを用い, トレーサーとして放流したいくつかの風船を撮影し, 風船の流跡線を3次元的に解析するものである。
本論文ではまず解析理論を構築し, 次にその理論にもとずき予備的な実験と応用的な実験を行なった。予備的な実験は, 実験室内にピンポン玉を吊し, そのピンポン玉の3次元位置を, ピンポン玉を写した一枚の写真を用いて計測した。応用的な実験は, 建物や山間部の風の流れの流跡線を測定した。
実験の結果, 構築した解析理論が有効であることが実証された。
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