写真測量とリモートセンシング
Online ISSN : 1883-9061
Print ISSN : 0285-5844
ISSN-L : 0285-5844
三辺測量のFree-network解法が距離空間マッピングのための多次元尺度構成法としてもつ意味
清水 英範表 明榮
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 36 巻 5 号 p. 11-16

詳細
抄録
距離空間マッピングとは, 地図上のいくつかの地点間に物理距離以外の距離 (例えば, 交通所要時間や認知距離など) が与えられた時に, 地図上のユークリッド距離がこれら所与の距離を可能な限り再現するように, 元の地図を幾何学的に歪めることをいう。すなわち, 地点間の距離を基準とする一種の幾何補正手法である。距離空間マッピングは, もともとは地理学における伝統的な研究分野であったが, GISの技術的発展と普及を背景に, 時間距離や認知距離が構成する空間を地図の歪みによって自動的かつ印象的に視覚化する技術として関心がもたれるようになり, 近年では, 都市計画, 交通計画などの分野においても応用研究が進められている。本論文では, これまでの距離空間マッピング研究において用いられてきた最も代表的な手法であるTorgersonの多次元尺度構成法の理論的問題点を明らかにし, この問題点を解決する手法として三辺測量のFree-network解法の応用がきわめて有望であることを示す。
著者関連情報
© 社団法人 日本写真測量学会
前の記事 次の記事
feedback
Top