抄録
次世代の月惑星着陸探査をになうピンポイント軟着陸や自律制御ローバ技術などの実証を目指して、月着陸実験セレーネB計画が工学試験ミッションとして提案されているが、月クレータの中央丘に露出する深部物質を採取し、その場で分析する地質探査が検討されている。本報告ではその観測機器候補の検討について述べる。このミッションではランダからの分光撮像やローバでの多色撮像で路頭の特徴を調べ、また採取試料の選定を行う。ガンマ線分光により、ローバ走行経路に沿った放射線元素濃度の分布を調査する。採取した試料を顕微撮像やX線蛍光・回折等の分析を行うが、表面に付着した塵の除去や切断、研削を行うことで試料内部の組織まで調べることを目標にする。観測機器のシステム構成案についても考察した結果を述べる。