抄録
39個の南極宇宙塵試料、1粒ずつを機器中性子放射化分析で化学組成を求めた。分析結果より26個の南極宇宙塵は、全鉄の含有量からE、H、L、LLコンドライトに分類された。分類の結果から、隕石が大気圏突入時に宇宙塵を作り出していると考えた。また、全鉄の含有量によるコンドライトの分類に当てはまらないものは、エンスタタイトやフォルステライトの存在に富んでいる。この事実は、試料がμmオーダーと微小である為、コンドライト隕石はそのオーダーまでの均一性が保持できず、コンドライトの全鉄の含有量の分類とは合致しない微小片であると考えた。