抄録
惑星形成のはじまりは星間塵であることからも明らかであるように、星間塵の特性を知ること無くして惑星形成を語れない。星間塵と言えば、「シリケイトもしくはグラファイトからなる楕円体のサブミクロン粒子」という描像がこれまでまかり通ってきた。近年、ガス枯渇量測定やその場測定などによって、太陽系近傍に存在する星間塵の特性が明らかになりつつあり、これまでの星間塵に関する認識は大きく間違っていると思われる。本発表では、サブミクロン粒子凝集体星間塵モデルに基づいて、太陽系近傍に存在する星間塵の特性を物質科学的な観点から議論する。