抄録
月熱流量観測がアポロ15・17号で実施され月表層温度が計測された。過去に年周期温度変動データ解析から月レゴリスの熱拡散率κが10の-8(m^2/s)乗程度、また月表面温度冷却曲線の解析から月面上にκが10の-9の2cm程度の薄い層が推定された。
Thermal skin depthの違いから、年周期に対して熱的解像度が高い短周期の現象である月自転・月食時の温度変動の解析を行った結果、上層のκを10の-9乗、下層が10の-6の場合、月自転では厚さ2cm、月食の場合では2mm程度で観測振幅を実現した。