抄録
観測される月の反射光強度は、太陽・月・観測機の幾何学的位置に応じて変化するため、正確な反射率を推定するためには各波長における測光補正関数が必要である。しかし、かぐや(SELENE)に搭載されているMulti-band Imagerの中の2つの近赤外バンドである1250nmと1550nmの測光補正関数は最適化されていない。そのために近赤外撮像用の画像分光望遠鏡を製作した。この望遠鏡で様々な位相角の月の観測を行う。今回は測光補正関数の導出方法と、発表時までに集められたデータの範囲で推定される測光補正関数について議論する。