抄録
片麻痺患者19名に対して,麻痺側の膝伸展筋力・屈曲筋力の等速性筋トルクを測定し,それらと最大歩行速度との関係を検討した。平均年齢は62.3歳,下肢のBrunnstrom Stageは,IV 7名,V 7名,VI 5名,発症後期間は42日~16年9ケ月であった。10 m歩行所要時間との間に有意な相関を示したのは,角速度30°・60°/ secでの膝の伸展筋力と,角速度90°/ secでの屈曲筋力であった。歩行周期との関係において角速度30°・60°/ sec での膝の伸展筋力は立脚期に,角速度90°/ secでの屈曲筋力は遊脚期に影響を与えていると推察される。