1999 年 6 巻 1 号 p. 31-38
外来理学療法を施行している患者の理学療法への認識を知ると共に、多様化する患者ニーズを把握し、より有意義に理学療法を進めていくための基礎資料とすることを本研究の目的とした。当院で外来理学療法を受けている患者96名を対象に理学療法の到達目的、施行内容、理学療法に対する満足度など7項目のアンケート調査を行い、その一部を担当理学療法士にも行った。その結果、主観的改善度が高く満足度が低い患者や、逆に主観的改善度が低く満足度が高い患者がみられた。前者は他科受診のついでや気分転換に来ている患者が多くみられ、今後の継続について検討が必要と思われた。後者には理学療法の必要性を理解していると思われる変性疾患や慢性疾患が多くみられた。また、理学療法士と到達目的が一致している患者は具体的な施行内容への認識が高く、治療効果への影響が示唆された。我々理学療法士はインフォームド・コンセントを通して、目的の共有と患者ニーズの把握を行っていくべきである。