主催: (一社)日本予防理学療法学会、(一社)日本理学療法学会連合, 第58回 日本理学療法学術大会
共催: 第6回 日本産業理学療法研究会学術大会
会議名: 第10回 日本予防理学療法学会学術大会
回次: 1
開催地: 函館市民会館・函館アリーナ(函館市)
開催日: 2023/10/28 - 2023/10/29
【はじめに】
2019年4月の医療保険下での外来リハビリテーション (以下:リハビリ)利用制限などリハビリ期間の短縮が進んでいる。ア スリートやスポーツ愛好家にとってのニーズに応えるためには、長期間にわたる医学的なサポートが必要となるが、現状は理学療法士が介入する機会は少ない。当事業団では2020年から保険外事業として理学療法士によるメディカルフィットネス (MF)を行い、保険期限後も理学療法士が継続して介入を行える環境を提供した。今回の報告では、運動器疾患の既往がある利用者に対するMFでの継続的な運動療法の有効性について検討する。
【症例紹介】
対象は、当院での外来リハ通院歴がある10代~70代の10名とした。疾患名は、膝前十字靱帯損傷の術後、腰椎分離症、半月板損傷の術後等であり、運動器疾患を有する者とした。利用の目的は、スポーツパフォーマンス改善、セルフケア方法の確認・指導、再発予防等であった。
【経過、結果】
アウトカムについて、初回介入時と3ヶ月継続時にFunctional Movement Screen(以下:FMS)を評価した。初回測定時の平均は11.5点であった。頻度は1~2回/月、平均合計時間12時間であった。評価結果に基づき、個別に自主トレーニングメニューを作成し身体機能面、動作改善のための運動療法を指導した。 3ヶ月経過時の結果は、平均点12.9点となった。
【考察】
障害発生から一定期間が経過しても、問題点を抽出し、適切な運動指導を行うことで身体機能面と動作能力に改善を認めることができたと考える。FMSを利用する事で、課題に対する共有を行い、自身の身体の状態や現状を明確化し、運動療法への高いモチベーションを保ち、自己管理下でも質の高い運動を継続することが可能となった。今回の対象者は、当院への通院歴があり病態や病状把握がスムーズに行えたが、外部や地域からの利用者受け入れを増加し傷害予防や再発予防へ繋げていく事が今後の課題と考える。他施設や医療機関と連携しリハビリ継続の機会の提供と、理学療法士として地域社会への貢献をしていきたい。
【倫理的配慮】
本発表に際し、当院倫理委員会にて審査・承認を得た。