日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第10回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: YP-07-6
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予防ポスター7(地域)
岡山県真庭郡新庄村における日常生活と健康に関する調査(第1報)
笹野 弘美平野 孝行池田 耕二滝本 幸治辻下 聡馬笹野 英樹
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抄録

【はじめに、目的】

我が国の高齢化率は28.9%(R3年)であるが地域差は大きい。そこで、高齢化率43.8%(R3年10月)の新庄村にて、村民が住み慣れた地域で高齢期を過ごすため、可能な限り自立した生活するための方策を検討する事を目的に中高年及び高齢の村民に対し日常生活と健康に関する調査を実施したのでその一部を報告する。

【方法】

R4年4月1日現在、新庄村に住民票のある40歳以上の村民556名を対象とし無記名式アンケート調査を実施した。調査は内閣府が実施した「平成26年度高齢者の日常生活に関する意識調査」に準じた項目とし、各家庭へ調査票を配布し、郵送又は持参にて回収した。

【結果】

調査票の回収率は55.0%、うち有効数258部であった。回答者の性別は「男性」45.0%、「女性」52.3%、「無回答」 2.7%、年齢は「40~64歳」34.6%、「65~74歳」28.3%、 「75歳以上」36.1%、「無回答」1.2%であった。介護認定は 「申請していない」87.2%、「申請中」「要介護1」「要介護 2」「要介護3」各1.2%、その他の認定は無かった。日常生活は「まあ満足」60.5%、「満足」19.8%、「やや不満」8.9%、 「不満」4.3%、「わからない」4.3%、「無回答」2.3%であ った。不安を感じる事は「介護が必要な状態になる事」41.5%、 「健康や病気」36.0%、「先祖から受け継いだ土地や墓の管理 ・相続」20.9%、「収入」20.5%と続いた。高齢社会に備え社会として何に重点を置くべきかについては「介護サービスが必要な時に利用できる体制の整備」36.0%、「収入の保障」35.7 %、「高齢者に配慮したまちづくりの推進」25.6%と続いた。

【考察】

高齢化率43.8%であるが介護保険を申請していないと回答した者が87.2%である事より健康な高齢者が多いと考えられ、先行研究の調査とも合致する。一方で65歳以上の要支援・要介護認定率が高いとのデータがあるため、より詳細な分析が必要である。また、日常生活は80%超が満足しているが、介護や健康への不安が多くみられる。高齢社会の備えとして介護サービスの体制の整備や高齢者に配慮したまちづくりに重点を置くべきとの回答が多い事は介護や健康の不安が要因と考えられる。村内で自立した生活を可能にするためには、不安を解消するための施策が必要である。今回、調査の一部を報告したが、今後は年齢・性別等と各々の回答の関係や内閣府発表の結果との比較など詳細の結果を報告したい。

【倫理的配慮】

本研究は、ヘルシンキ宣言を遵守し、奈良学園大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した (承認番号4- H001)。またアンケート調査票は無記名とし、調査の目的等は調査依頼文書にて説明し自由意思にて調査票返信にて参加同意を得た。

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