日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第10回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: YP-08-4
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予防ポスター8(介護)
離島における新型コロナウィルス感染症対策で ZOOMを活用した介護予防事業の取り組み
武政 太猪狩 尚史
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抄録

【はじめに】

新島村は伊豆諸島にある新島・式根島の2島からなる人口約 2400人の自治体である。新島は本村 (人口約1700人)・若郷 (同約250人)の2地区からなり、約3kmのトンネルで隔てられている。新島の介護予防事業は、以前は両地区から約20人が参加して本村1カ所で行われていた。しかし、全国的な新型コロナウィルス感染症 (以下コロナ禍)の蔓延や緊急事態宣言により、一旦中止になった。当村ではコロナ禍で介護予防事業を再開するにあたり、感染対策としてコロナ禍前に本村1カ所で行っていた会場を若郷と分けて、ZOOMでつなぐ形で同時に行うようにした。

【方法】

2020年6月以降、再開するにあたり、感染対策として参加者を 4グループ (本村3グループ (A・B・C )、若郷1グループ (D))に分けて、毎週2グループずつ時間帯と場所を分けて少人数短時間で行う事とした。内容は基本的に体操のみとした。若郷在住の方には若郷会場で参加してもらうようにした。本村会場のCグループ・若郷会場のDグループをZOOMでつなぎ、両会場にてタブレット画面をテレビに映して、本村側で声掛けして行う体操に合わせて両会場一緒に体操を行ってもらうようにした。 2023年4月、小人数短時間での教室開催を終了するにあたり、参加者のうちZOOMを使用して体操を行った2グループ (本村グループ6人・若郷グループ3人)にアンケートを行った。 (4件法) ①会場を地域ごとに分けて教室を行ったことについて ② ZOOMを活用して他地域と同時に体操を行ったことについて ③ZOOMを活用したことによる体操の理解度について (若郷グループのみ)

【結果】

アンケートでは①満足 78% やや満足22% ②満足 78%やや満足 22% ③ 満足100% となった。

【結論】

コロナ禍の側面として、様々な場面でリモートを活用することが増えたが、離島においてもそれは例外ではなかった。感染対策として会場を分けて行った介護予防事業については肯定的な意見が得られた。ZOOMの活用について、概ね参加者の受け入れは良好だったと言える。離島では地区の異なる場合でもお互いに顔見知りの人も多く、一緒に行う事により、参加へのモチベーション維持につながったと考えられる。ZOOMを利用して行っても体操の理解について比較的満足度は高いことが分かった。

【倫理的配慮】

参加者にはアンケート結果、意見を学会発表等に用いる事を口頭 にて説明し、同意を得た。

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