日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第10回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: YP-15-4
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予防ポスター15(認知症)
住民主体の自主活動グループの立ち上げを目的とした認知症予防教室の取り組みと自主活動グループの活動報告
長内 祥太郎
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抄録

【はじめに、目的】

認知症を予防するためは習慣的な運動の促進、社会参加、知的活動、生産活動への参加や社会的ネットワークなどが重要と考えられている。また現在元気な高齢者の方々や軽度認知障害(以下MCI)の状態で認知症になってしまう危険がある方々が一緒に活動できるコミュニティを作り上げることやコミュニティ全体において認知症予防への関心が高まり、他人事ではなく自分の問題として積極的な取り組みを始めていく必要があると考える。当院が所在する神奈川県大和市では、地域高齢者を対象とした認知症予防コグニサイズ教室の運営委託を行っている。今回2018年に委託を受け実施した教室の運営と現在の自主活動グループの活動状況について報告する。

【方法】

65歳以上の高齢者を対象に行われた脳とからだの健康チェック を受け、介護認定を受けてない方で認知症予防コグニサイズ教 室の参加を募集し実施した。教室回数は週1回全20回、フォローアップ教室を週1回全4回とした。一回の教室内容は体調確認、認知症や疾病予防に関する健康講座、準備運動、コグニサイズを合計2時間実施した。また次回教室参加までの間の活動目標、自主トレーニングの設定及び実施、毎日の歩数管理を参加者に実施して頂いた。教室後半では参加者が主体的にコグニサイズを実践していくことを目的に参加者をグループ分けし、コグニサイズの課題をグループ内で考え実践して頂いた。フォローアップ教室では教室終了後の自主活動グループの運営方法、集まる場所等の検討を行った。

【結果】

2018年教室参加者24名の内10名が自主活動グループへの参加を希望し、月1~2回のコグニサイズを主体とした活動を開始した。フォロー体制として市の別事業である高齢者の集いの場の活性化を目的とした委託事業である専門職派遣事業を通して年 2回実施しており、2023年現在も活動は継続している。

【考察】

中長期的な認知症予防教室を実施することで参加者が認知症予防について理解を深め、主体性をもって教室に参加する事、役割や生きがいを見出し、社会参加意欲の向上に繋がる事で、自主活動グループを立ち上げることが出来たと考える。今後も自主活動グループの発展の支援や新たな自主活動グループの立ち上げに向けて地域活動を継続していきたい。

【倫理的配慮】

本報告をするにあたり、知り得た情報を利用する旨について、事前に説明を行い、書面にて同意を得ている。

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