主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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【目的】2018年度診療報酬改定において、ベンゾジアゼピン受容体作動薬(以下、BZD)の長期処方(BZDを1年以上、同一の成分、同一の1日あたり用量で連続した処方)の削減を目的とし、処方料と処方箋料を減算する規定が導入されたが、当該改定の影響は十分明らかにされていない。本研究では、大規模診療報酬請求情報データを用い、BZDの長期処方実態を調査し、2018年度診療報酬改定による影響を評価することを目的とした。 【方法】DeSCヘルスケア株式会社のレセプトデータベースを用いた後ろ向き記述疫学研究を行った。2016年4月から2020年3月を対象期間とし、改定前の2016年、2017年をperiod1、period2とし、改定後の2018年、2019年をperiod3、period4と設定した。調査対象者は、各periodでBZDを開始し、開始日から365日以上観察可能な患者とした。なお、各period中のBZDの初回処方日以前180日間にBZDの処方がない場合にBZDが開始されたものとした。継続処方期間は処方間隔に対し、67%以上のアドヒアランスを満たした期間を算出し、365日以上の場合に「長期処方あり」と定義した。評価項目として、各periodの調査対象者における長期処方が行われた患者の割合を集計した。また、継続処方の終了をイベントとし、Cox比例ハザードモデルを用いてperiod2に対するperiod1、period3、period4のハザード比を推定した。 【結果・考察】調査対象者はperiod1で101,163人、period2で134,618人、period3で181,906人、period4で218,445人であった。長期処方割合は、それぞれ5.87%、5.81%、5.75%、5.96%であった。period2を基準とした継続処方終了に関するハザード比(95%信頼区間)は、period3で1.02(1.01~1.03)、period4では1.02(1.02~1.03)であった。長期処方割合は改定前後で減少傾向は認められなかった。また、ハザード比の結果から継続処方期間は改定前と比べて改定後の方が短いものの、その影響の大きさは僅かであったと考えられた。顕著な変化が認められなかった要因の一つとして、BZDの長期処方に関する診療報酬の減算規定は、精神科薬物療法に係る適切な研修を受けた医師の処方であれば減算対象外となる等の例外が設けられているため、特に減算規程の対象外である医師に対しては診療報酬改定がBZDの長期処方の削減につながりにくかった可能性がある。 【結論】2018年度診療報酬改定によるBZDの長期処方の削減効果は限定的と考えられた。