日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
会議情報

一般演題(ポスター)
一本鎖抗体・ケモカイン複合体タンパク質による樹状細胞の活性化を介した抗腫瘍効果の検討
家口 勝昭大西 伸幸清水 峻志渡邊 真大熊 遼太朗鈴木 梨沙子辻 まゆみ木内 祐二小林 真一角田 卓也和田 聡
著者情報
会議録・要旨集 フリー HTML

p. 101-

詳細
Abstract

 免疫チェックポイント阻害薬はステージ4の末期がん患者を完治させるなど大きな成功を納めてきた。しかしながら、その効果は限定的ですべてのがん患者で奏功するわけではないのが現状であり、比較的高い効果を示すがん種においても奏効率は約20-30%程度であり決して高くはない。また、免疫チェックポイント阻害薬に対してまったく効果を示さないがん患者や、効果を示しても後に耐性獲得によりがんが増大するがん患者が一定数存在し治療耐性獲得が問題となっている。免疫チェックポイント阻害薬の様に腫瘍微小環境において免疫抑制を解除する治療戦略が現時点で最も有効な治療方法であることから、免疫チェックポイント阻害薬の作用機序とは異なるアプローチを用いた腫瘍微小環境改善による免疫細胞の活性化を目指した治療戦略が求められる。 これまでに我々は、動物モデルを用いた解析で、腫瘍浸潤リンパ球に高発現して抗腫瘍効果を示す因子としてXCL1(lymphotactin)を同定した。このXCL1と抗ヒトCD19抗体(FMC63)との複合体を作製し、ヒトCD19を発現させたマウス肥満細胞腫をマウスに皮下移植するマウスモデルを用いて抗腫瘍効果を検討した。その結果、FMC63-XCL1複合体はコントロール群と比較して顕著に抗腫瘍効果を示すだけでなく、腫瘍内に浸潤した樹状細胞とCD8陽性T細胞の増加が確認できた。 これらの結果から、FMC63-XCL1複合体は自然免疫である樹状細胞を活性化し、獲得免疫であるCD8陽性T細胞を腫瘍微小環境に動員することで抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。現在、腫瘍抗原特異的抗体を作成し、他のがん標的やがん細胞においても効果を示すか検討中である。

一般演題(ポスター) 5

 
© 日本臨床薬理学会
feedback
Top