日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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一般演題(ポスター)
医薬品有害事象データベースを用いたバイオシミラーと先行バイオ医薬品の安全性評価
藤井 緑濱野 裕章槇田 崇志田中 雄太武田 達明座間味 義人
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p. 102-

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Abstract

【目的】バイオシミラー(BS)は、先行バイオ医薬品(先行薬剤)の特許・再審査期間が終了した後に同質・同等の品質、安全性、有効性を持つ医薬品として発売される。先行薬剤の約70%に薬価が設定されており、医療費適正化基本方針に基づき、その普及が重要視されている。日本では19成分のBSが先行薬剤との安全性および有効性を確認した上で承認されている。しかし、臨床現場での安全性、特に稀な有害事象の確認は未だ十分ではない。そこで本研究では、BSと先行薬剤の有害事象に関する類似性・差異性を調査することを目的とした。 【方法】リツキシマブとベバシズマブのBSおよび先行薬剤の有害事象の発生動向を比較するため、WHOのデータベースVigiBaseを用いて調査を行った。解析対象期間はリツキシマブのBSがFDAによって承認された2018年11月以降とし、BSと先行薬剤別の有害事象(infusion reaction、腫瘍崩壊症候群、B型肝炎再活性化、肝機能障害、皮膚粘膜障害)の報告割合および報告オッズ比(ROR)を算出しその傾向を比較した。また、ベバシズマブのBSが承認された2017年9月以降の重篤な有害事象(高血圧、出血、消化管穿孔、血栓塞栓症、腎機能障害)についても同様に報告割合およびRORを算出し、傾向を比較した。有害事象はMedDRA器官別大分類または標準検索式を利用して分類した。 【結果・考察】リツキシマブにおけるBSの報告件数は33,929件、先行薬剤は20,910件であり、特徴的な有害事象のRORは以下の通りであった:Infusion reaction 0.17(95%CI:0.15-0.20)、腫瘍崩壊症候群 3.21(2.18-4.75)、B型肝炎再活性化 4.32(2.70-6.91)、肝機能障害 1.12(0.91-1.39)、皮膚粘膜症状 1.34(0.86-2.09)、血球減少 1.99(1.87-2.11)。ベバシズマブのBSの報告件数は15,856件、先行薬剤は21,252件であり、特徴的な有害事象のRORは以下の通りであった:高血圧0.98(95%CI:0.93-1.04)、出血0.87(0.82-0.92)、消化管穿孔0.72(0.66-0.78)、血栓塞栓症0.99(0.91-1.07)、腎機能障害0.72(0.66-0.78)。 【結論】BSと先行薬剤の間で有害事象の発生動向に一部差異があることが示唆された。本解析におけるバイアスの影響も考慮しつつ、稀な有害事象に関しては、臨床現場でのさらなる監視と研究が必要である。BSの導入により医療費削減の効果が期待される一方で安全性の確保が不可欠であり、臨床データの蓄積と解析を継続することが重要である。

一般演題(ポスター) 6

 
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