日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
会議情報

一般演題(ポスター)
心房細動患者におけるビソプロロールの母集団薬物動態解析
本石 寛行木村 直也高橋 雅弘花田 和彦野澤(石井) 玲子
著者情報
会議録・要旨集 フリー HTML

p. 110-

詳細
抄録

【目的】 ビソプロロールは心不全、心房細動、狭心症、高血圧などに対して使用される。ビソプロロールは肝臓、腎臓からのクリアランスをほぼ同等にもつとされているが、日本人高齢者を対象としたビソプロロールの母集団薬物動態解析では、ビソプロロールのクリアランスはクレアチニンクリアランスと相関することが報告されている。ビソプロロールの薬物動態は、冠動脈疾患、高血圧患者などで検討されているが、心房細動患者では検討されていない。本研究は、心房細動患者に投与されているビソプロロールの薬物動態の変動を評価することを目的とした。 【方法】 2022年3月から2023年2月に、草加市立病院で、心房細動の心拍数調節目的でビソプロロールを内服している患者を対象とした。ビソプロロールを1日2回以上内服、NYHA3度以上の心不全、ペースメーカ植え込み後、カテーテルアブレーション後、透析あるいは抗凝固療法が適応とならない腎機能障害などの患者は除外した。ビソプロロールの血中濃度は、固相抽出法を利用したHPLC-蛍光検出法で測定した。母集団薬物動態は非線形混合効果モデル解析プログラムNONMEM(version 7.4.3)を用いた。基本モデルは一次吸収過程を含む1-コンパートメントモデルを用いた。みかけクリアランス(CL/F)および分布容積の個体間変動の誤差モデルには指数誤差モデル、個体内変動の誤差モデルには比例誤差モデルを選択した。CLの共変量候補として性別、年齢、身長、体重(BW)、血清クレアチニン値(Scr)、AST、ALT、クレアチニンクリアランス(CLcr)、個別化eGFRを検討した。 【結果・考察】 対象は111名で、男性70名、女性41名だった。216点のビソプロロール濃度が期間内に得られた。平均年齢は74.3歳、対象は111名で、男性70名、女性41名だった。216点のビソプロロール濃度が期間内に得られた。平均年齢は74.3歳、ビソプロロールの平均投与量は2.4mg(範囲は0.625-5mg)、平均血中濃度は63.8ng/mL(0.8-641ng/mL)だった。CL/Fに対する共変量はBW、CLcrを組み込むことが適当であると考えられたが、CLcrとBWは内部相関するため、個体間変動がより小さくなったBWを採用した。今回得られた最終モデルはCLi=2.6×(BW/62)1.3だった。 【結論】 今回検討した共変量では個体間変動への影響が小さく、心房細動患者におけるビソプロロールの薬物動態は、腎機能、肝機能の影響を受けにくかった。

著者関連情報
© 日本臨床薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top