主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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【目的】胃粘膜保護薬であるレバミピドおよびテプレノンは、妊娠中の急性胃炎や胃粘膜病変の治療に用いられている。しかし、レバミピドおよびテプレノン服用妊婦の治療実態および母児転帰に関する情報は限定的である。そこで本研究では、虎の門病院および妊娠と薬情報センターで開設されている「妊娠と薬外来」を受診した相談者の母児転帰を蓄積したデータベースを用いて、レバミピドおよびテプレノン服用妊婦の現状を調査した。 【方法】1988年4月から2017年12月までの間に虎の門病院および妊娠と薬情報センターの「妊娠と薬外来」を受診し、登録された相談者を研究対象とした。統合データベースより妊娠中にレバミピドまたはテプレノンを使用した相談者を抽出し、患者背景、併用薬、母児転帰を調査した。 【結果・考察】統合データベースに登録された13,599名のうち、妊娠初期にレバミピドを服用していた女性(レバミピド群)は500名、テプレノンを服用していた女性(テプレノン群)は499名であり、レバミピド群の平均年齢は31.2±4.9歳、テプレノン群の平均年齢は30.9±4.8歳であった。レバミピド群およびテプレノン群の罹患疾病として精神疾患が最も多く、1人当たりの妊娠初期の使用薬剤数はレバミピド群において7.5±4.2剤、テプレノン群において7.2±4.1剤であった。また、両群共に解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静剤、精神神経用剤の妊娠初期における併用率は高かった。最終的な解析対象者の早産率および低出生体重児率は、レバミピド群の出生児(448名)において6.0%、9.6%、テプレノン群の出生児(467名)において6.2%、9.0%であった。レバミピド群の出生児における先天大奇形発生率は2.5%(11名)、テプレノン群の出生児における先天大奇形発生率は2.1%(10名)であったが、特定の先天異常の多発は認められなかった。以上の結果より、レバミピドおよびテプレノン服用妊婦の一部は精神疾患を有し、ポリファーマシーの傾向が認められたが、早産率、低出生体重児の発症率は、本邦における人口統計と同様であった。また、レバミピドおよびテプレノン服用妊婦の出生児における先天大奇形の発生率は自然発生率と同程度であった。 【結論】レバミピドおよびテプレノン服用妊婦はポリファーマシーの状態にあったが、母児ともに良好な転帰を確認した。
優秀発表賞審査セッション 1