主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 32-
【目的】Remdesivirは、drug repositioningによりCOVID-19の治療および重症化予防を目的として使用されているが有効性および安全性に関する検証は十分とは言えない。我々は腎機能低下患者では、主要活性代謝物であるGS-441524への曝露量は増加するが、肝機能への影響ならびに在院日数の臨床転帰には関連しないことを報告した1)。しかし、被験者が比較的少数かつ重症患者に偏向しており、加えて動脈血中濃度での評価などの種々の制約があった。そこで、本研究では、対象患者を中等症以上に拡充し、GS-441524の静脈血中曝露量と臨床転帰との関連を再評価した。 【方法】2020年5月~2021年3月に、神戸市立医療センター中央市民病院にてremdesivirが投与された既報患者を含む中等症以上のCOVID-19患者160名を対象とした。静脈血中GS-441524濃度測定は日常診療の残余検体を用いた。GS-441524動脈血濃度で構築した既報PPKモデルを用いて静脈血中濃度の予測精度を評価した。新たに本検討で得られた静脈血濃度を用いてPPKモデルを更新した。Grade 2以上のAST/ALT上昇または退院までの日数とGS-441524の静脈血中曝露量との関連性を評価した。 【結果・考察】既報の動脈血中濃度を用いたPPKモデルは、同一患者(39名)の静脈血中のGS-441524を十分に予測することができた。一方、新規患者(121名)の静脈血中濃度をやや過大予測していた。これは既報では重症患者における腎機能の影響を過大評価していたと考えられた。静脈血中濃度を用いて更新したPPK モデルは全患者の静脈血中GS-441524の濃度を良好に捕捉した。GS-441524の静脈血中曝露量は、既報と同様に臨床転帰と関連が認められなかった。 【結論】中等症以上のCOVID-19患者160名の患者から得た静脈血濃度を用いて更新したPPK モデルは全患者の静脈血中のGS-441524濃度を十分に捕捉した。本研究においても、GS-441524の曝露量と臨床転帰には関連が認められず、腎機能に応じた用量調整が不要であるという既報の知見を支持するものであった。 【参考文献】1) Ryo T, Kei I, et al. CPT Pharmacometrics Syst Pharmacol. 2023. 12(4):513-521.
一般演題(口演) 4