日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
臨床薬理学集中講座で構築したネットワークで実践するポリファーマシーに関する多施設共同研究
鈴木 啓介
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p. 54_-

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Abstract

 近年、医療の中で薬物療法とそれを支える臨床薬理学の重要性が高まっており、臨床薬理学を担う人材の育成が求められている。そのような中、臨床薬理研究振興財団によって2016年から開講されている臨床薬理学集中講座は、若手の医師・薬剤師等が体系的な臨床薬理学を学べる機会として、大変貴重なものである。  ただ臨床薬理学集中講座を受講するだけでは、エビデンス創出に直結するような臨床研究の遂行には至らないことが多いと思われる。そこで臨床薬理学集中講座で学んだ知識を実践する臨床研究の場が必要と考え、集中講座参加者のネットワークを活用した多施設共同研究が実施できないか模索してきた。その中で、医師と薬剤師が協同して行うことができるテーマとして、「ポリファーマシー」が挙げられた。  演者が所属する国立長寿医療研究センターでは、高齢者医療における問題点の一つであるポリファーマシーの解消に取り組んできた背景がある。その活動の一環として、ポリファーマシーおよび薬剤起因性老年症候群を簡便にチェックできるスクリーニングシートを開発してきた。本シートを用いることで、病棟薬剤師が入院患者の持参薬鑑別の際にポリファーマシーに関する情報を収集し、さらに薬剤起因性老年症候群の評価も行うことが可能となる。本シートは国立長寿医療研究センターを含むナショナルセンターの臨床現場で活用可能なことは確認されているが、ナショナルセンター以外の医療機関にも実装できるかどうかが課題となっていた。そこで集中講座参加者のネットワークを活用して、本シートの有用性や実行可能性を確認する臨床研究を計画するに至った。  当初は全国規模での多施設共同研究を予定していたが、諸般の事情により国立長寿医療研究センターを含む4施設での実施となった。ポリファーマシーに関する知識に偏りが出ないよう一定のレクチャーを実施した上で、岡山大学病院と徳島大学病院では、本シートを導入した場合と既存の方法での持参薬評価を行い、国立長寿医療研究センターと合わせて270例でスクリーニングを行う。ポリファーマシーの問題点の検出率や入退院による薬剤数の変化、業務負担感量の変化などを評価する。本研究に関しては、2024年6月に倫理審査の承認を得ることができた。本セミナーでは、最新の進捗状況について報告するとともに、多施設共同研究を進める場合の実践的な知恵や工夫も共有したい。

シンポジウム 16

 
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