日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
企業の立場で考える小児医薬品開発の課題
中山 友希
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p. 70_-

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Abstract

小児用医薬品の開発は,対象患者が少なく症例集積性が低いこと,臨床試験を実施するにあたり保護者の協力が必要であることや臨床試験の計画や同意取得等に小児特有の配慮が必要であること,小児治験を実施する体制が整っている医療機関が限られていること等から,一般的に進みにくいことが長年問題とされてきた.また,成人に比べて市場規模が小さく採算性が乏しい等,事業性の問題も小児用医薬品開発のハードルとなっている.これらは,日本だけでなく国際的に共通した課題である.更に,近年日本では,希少疾病用医薬品とともに小児用医薬品でのドラッグラグ・ロスの割合が高く,その拡大が懸念されている. 欧米では,小児用医薬品開発の課題に対する対策として,成人を対象とした開発と並行して小児に対する開発計画の検討が義務付けられており,小児用医薬品開発の進展に一定の成果が得られている. 一方,日本では,小児を対象とした開発の検討を義務付ける規制はないが,小児用医薬品開発を促進する施策として,医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議による小児用医薬品開発の推進や,先行する成人の再審査期間の延長,特定用途医薬品指定制度の創設等が講じられてきた.更に,2023年に開催された「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」で,小児用医薬品の開発を促進する方策として,成人と同時に小児用の開発計画策定を促す仕組みや,承認申請パッケージの柔軟性が挙げられた.小児用の開発計画策定については2024年1月に通知が発出され,2024年7月にはPMDAによる小児用医薬品開発計画確認相談が新設された. これらの動向から,日本においても,より積極的に小児用医薬品開発に取り組むことへの企業に対する期待が高まると考えられる.そこで,本チームでは,今後の小児用医薬品の開発戦略,承認申請の立案・計画の一助となることを目的に,2018年4月以降に日本で小児適応を取得した品目について,公開情報をもとに各品目の開発戦略,臨床データパッケージの構成,製造販売後調査の実施状況等,包括的な調査を行っている. 本シンポジウムでは,当該調査の結果より,承認品目数の推移,薬事指定制度の活用,臨床データパッケージと承認ラグの関係を中心に,日本おける小児用医薬品開発の現状及びそれを踏まえた考察について紹介する.

シンポジウム 22

 
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