主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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薬物治療の実践において、患者に最も近い立場にある看護師は、有効かつ安全性の高い薬物治療の遂行に大きな役割を果たしている。看護における臨床薬理学教育は、看護系大学や看護専門学校における卒前教育だけではなく、臨床の現場を対象とした現任者教育のほか、助産師、認定看護師、専門看護師、特定行為に係る看護行為の研修などの資格者のための教育など多岐にわたる。認定看護師教育、専門看護師教育、特定行為に係る看護行為の研修などの制度において、臨床薬理学教育は、全て必須科目となっており、その重要性は看護職の専門化・多様化・高度化に伴い、より一層高まっている。 看護師が関わる医療事故は、長年にわたり与薬が最多の原因となっている。看護師の与薬エラーは未然に防がれにくく、そのまま患者の不利益となる。医師は習熟した専門領域の治療薬を能動的に決定するが、看護師は、配属先の病棟や外来において膨大な種類の治療薬に受動的に対応している。看護師は配属先の変更に伴い、対応する治療薬も大きく変わってしまうため、潜在的にエラーを起こしやすい状況に陥りやすい。 臨床薬理学教育にPersonal Drug(P-Drug)という概念がある。患者に処方する医薬品に関してクライテリア(効果、適応、作用機序、副作用、相互作用、投与方法、価格など)に沿った比較検討を事前に行い、自分専用の薬箱として使用する考え方である。この方法は、専門領域の治療薬を能動的に決定する医師には適しているが、配属先が変化し、膨大な種類の治療薬に受動的に対応する看護師に適しているとは言い難い。それを解決する一つの方法として、我々は、看護師のための臨床薬理学教育法として『integrated Drug(iDrug)』を提唱している。看護師が病棟で対応する治療薬は、医師のP-Drugと患者の病態など様々な要素が統合された(integrated) 結果である。各病棟の頻用薬Top30に関して、薬物治療の実践に必要な知識を看護チームとして能動的に学習し、看護のための病棟専用の薬箱のイメージで共有するものである。本シンポジウムでは、その方法や実際について紹介したい。
シンポジウム 27