主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 87-
【目的】FARESは世界最大の医薬品消費国である米国の有害事象自発報告システムである。FARESデータベースは異質性(データベースを構成する要素が均質ではないこと)を持つことが広く認識されている。異質性を原因とする誤ったシグナル検出を避けるには、異質性の実態及びそれが生じるメカニズムを理解し、適切に考慮に含める必要がある。本研究では、異質性の特徴・発生メカニズムを明らかにし、米国における有害事象報告の内容に影響を与えうる要因を探索した。 【方法】2019年第3四半期から2020年第2四半期までのJAPIC AERSデータ(データクレンジング済のFARESデータ)を用いた。JAPIC ARESデータには、性別・年齢等の患者情報、報告者の情報、有害事象・転帰の情報、使用薬剤の情報が含まれる。JAPIC ARESデータから報告に要した日数、米国で消費者が有害事象を自発報告する際に用いることができる書式の各項目の記入率等を算出し、JAPIC ARESデータに含まれる項目とともに分析に使用した。本研究では、報告の質に影響すると考えられる各項目の記入率を目的変数とし、ロジスティック回帰分析により有害事象報告の各項目の記入率に影響を与える因子を探索した。 【結果・考察】患者の体重等の項目の記入率が、報告者が企業の場合に低くなりやすく、報告者の職業が医療従事者・消費者の場合に高くなる傾向にあることが示された(p<0.001)。性別・年齢等の患者属性、有害事象の種類及び第一被疑薬の種類等によっても記入率に差が生じる傾向がみられた。FARESデータベースの報告内容の充足度は、報告者、患者、薬剤及び有害事象の属性に基づくモデルにより記述されることが示唆された。 【結論】有害事象を自発報告するか否か、及び、その内容の判断に影響を与えうる要因の一部を明らかにした。本研究はFARESデータベースの適切な活用の促進に役立てることができる。
一般演題(ポスター) 3