主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 89-
【目的】大阪急性期・総合医療センターは、2022年10月31日ランサムウェアによるサイバー攻撃を受け、大規模な電子カルテシステム障害が発生し、外来診療や入院、手術に大きな影響が出た。通常業務の多くが麻痺した中、電子カルテの運用が可能になるまでのCRCの経験を活かし、システム障害時の臨床研究支援センター部門版事業継続計画(以下、BCP)を作成したので報告する。 【方法】サイバー攻撃を受けて、電子カルテシステム障害が発生した際のCRCの業務の流れを振り返った。そして、その際にCRCが活用したツール等を検証し、その内容を盛り込んだBCPを作成した。 【結果・考察】・システム障害発生当日の一般診療は休診となったが、治験患者はCRCが付き添うことで治験に必要な最低限の診療を受けることができた。 ・治験対象患者と明示したラベルを紙カルテの表紙に貼ることで、関連部署においても患者が治験患者であることが明確にわかり、診察や検査を優先的に実施することができた。 ・検査、処方、予約オーダーは紙運用であったため、所定のオーダー用紙を事前に準備するとこで、次回来院や規定外の来院に備えることができた。 ・1週間分の来院予定表(連絡先、ID、予約日、検査内容等)を作成し、関連部門と情報共有を図った。また、日々変わる院内の情報を院内スタッフとSMOが共有できるよう、ホワイトボードに掲示したことでどの部署とも情報を共有できた。 ・電子カルテの参照系が閲覧できるようになってからは、障害以前の検査データやカルテ記事等をあらかじめ印刷し被験者対応や新規組み入れ患者のスクリーニングに対応した。 ・約3カ月の経験をもとに、復旧の段階に応じた臨床研究支援センター部門のBCPを作成した。 ・そのBCPを基に翌年2023年9月6日のシステム障害を想定した災害訓練をスムーズに終えることができた。 【結論】当センターでは、大規模災害時のBCPは作成されていたが、停電時でも自家発電により電子カルテを利用できることが前提であった。そのため、長期間電子カルテが使用できなくなることは想定されていなかった。長期間電子カルテが使用できなかった経験を活かし、治験を実施・継続する上で必要な患者情報や、治験に必要な検査依頼用紙等を紙で準備するという、システム障害時の臨床研究支援センター部門版BCPを作成した。
一般演題(ポスター) 4
~サイバー攻撃によるシステム障害を経験した事業継続計画(BCP)の作成~