主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 9-
【目的】ラモトリギンは、副作用として重篤な皮膚障害が現れることがあり、死亡に至った例も報告されたことから2015年に安全性速報で注意喚起がなされた。ラモトリギンによる重篤な皮膚障害は、血中濃度の急激な上昇が関与しており、薬物代謝に影響するUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)阻害作用を示すバルプロ酸ナトリウム併用でリスクが高いことが知られている。しかし、UGT阻害作用を示す薬剤は睡眠薬、鎮痛薬、免疫抑制薬など多数存在するにも関わらず、それらのラモトリギン血中濃度および副作用発症リスクへの影響は不明である。そこで本研究では、実臨床でラモトリギンの皮膚障害リスクを上昇させる併用薬を明らかにすることを目的に検討を行った。【方法】大規模副作用症例報告データベース(FAERS:FDA Adverse Event Reporting System)で、ラモトリギンとの併用で皮膚障害報告数を上昇させる薬剤を探索した。また、多施設共同後方視的研究で、ラモトリギン服用患者の疾患、開始用量、併用薬、皮膚障害の有無等を調査した。さらに、前向き臨床研究で、ラモトリギン服用患者のトラフ血中濃度や薬物動態関連因子(体重、喫煙歴、AST、ALT、併用薬など)を調査した。【結果】FAERS解析の結果、ラモトリギンとの併用で皮膚障害リスク上昇を示す薬剤として、既知のバルプロ酸ナトリウムに加えて、フルニトラゼパムが抽出された。多施設共同後方視的研究の結果、ラモトリギン服用患者のおよそ20%で皮膚障害の発症を認めた。傾向スコアマッチングにより患者背景を調節し解析したところ、フルニトラゼパム併用群において有意な皮膚障害頻度の上昇を認めた。前向き臨床研究の結果、ラモトリギンのトラフ血中濃度(ug/ml)を体重1kg当たりのラモトリギン投与量(mg/kg/day)で除したC/D比を比較したところ、フルニトラゼパム併用群においてラモトリギンのC/D比が有意に増加した。【結論】フルニトラゼパムは、UGT阻害作用を示す薬剤であり、ラモトリギンの血中濃度に影響し皮膚障害リスクを上昇させる可能性が示唆された。ラモトリギン服用患者の睡眠薬選択および併用時の副作用モニタリングに注意を要する。
優秀発表賞審査セッション 2