日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
認定専門職制度とARO医師のキャリア形成について
田野島 玲大
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p. 93_-

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Abstract

 全国のアカデミアや基幹病院の臨床研究支援組織(academic research organization: ARO)において,臨床研究支援を専門とする医師が配置される施設が増えている.ARO所属医師は自身の医師としての専門性・診療経験や臨床研究の経験をベースに,臨床研究の支援や適正実施へのサポートを行っている.一方,ARO医師のトレーニングやキャリアパスも施設ごとに異なり,そのキャリア形成が標準化されておらず,認定制度も存在しないという課題がある.他の研究者の支援に従事し,自身の診療・研究のキャリアが継続できないことに対する懸念の声も聞かれる.演者はARO医師のキャリアパスに関する課題等について,2022年の本学会学術総会で講演を行なった(第43回日本臨床薬理学会学術総会).この講演の中で,学会としてできうる取り組みとして「ARO医師の業務内容に関する啓蒙」,「ARO医師がコミュニケーションを取るプラットフォームの作成」,「統一したトレーニングシステムの構築」を挙げたが,具体的な取り組みには至っていない.  本シンポジウムのテーマである認定臨床研究専門職制度は,日本の臨床研究の基盤強化や制度整備に貢献し,臨床研究の質の確保に必要な専門職の社会的認知や,ARO職員のキャリア形成に寄与することを目指して開始された.認定臨床研究専門職制度では,ARO医師のキャリアを前提にした領域の設定はされていないが,今後,本制度とも連携し,AROにおいて信頼性の高い臨床研究を推進する医師のキャリアや専門性について議論を深めたい.  ARO医師が習得すべき能力は各施設における役割に依存しているのが現状であるが,本学のARO医師の役割を参考に,下記の項目が考えられる. ・臨床研究の立案,デザインの支援. ・倫理審査に係る医学的助言. ・重大な不適合事案に対する対応. ・産学官連携,橋渡し研究に係る戦略相談. ・研究者あるいは臨床研究に従事する者に対する教育活動.  本講演では,ARO医師のキャリアの魅力と課題について提示し,キャリアやその評価の標準化,ラダーの形成について議論を深めたい.

シンポジウム(学術委員会企画) 28

 
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