日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
若年性特発性関節炎の薬物治療最前線
宮前 多佳子
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p. 14-

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Abstract

若年性特発性関節炎(JIA)は国際リウマチ連盟の分類基準で16歳までに発症する慢性関節炎と定義される。成人発症の関節リウマチ(RA)に比べ希少であり、小児慢性特定疾病および指定難病に指定されている。初期治療の中核は抗リウマチ薬メトトレキサート(MTX)経口剤であるが、本邦では他の抗リウマチ薬は承認されておらず、不応・不耐例では生物学的製剤(bDMARDs)が用いられる。実際、MTX経口剤は約2割が副作用で中止され、とくに消化器症状の頻度が高い。条件反射的な悪心を訴える例もあり、生活の質を大きく損なう。十分な用量投与が困難となり、結果的にbDMARDsを早期から使用せざるを得ない実態がある。わが国でのJIAへのbDMARDs処方割合は約60%とRAの約40%を上回り、薬剤費もRAの1.6倍に達するとの報告があり、医療財政への影響も懸念される。米国リウマチ学会のJIAガイドラインではMTX皮下注製剤は経口剤より条件付きで推奨され、欧米では既に承認されている。国内のRAを対象とした第III相試験でも経口群に比べ消化器障害が有意に少なく、JIA治療への導入が望まれる。過去20年間におけるJIA薬物治療の進歩は多くがRAの臨床試験と保険収載に依存し、希少性ゆえのドラッグラグやドラッグロスが問題となっている。2025年9月時点でJIA多関節炎型・少関節炎型に承認されているbDMARDsは4剤であるが、RAのみ承認され今後JIAへの適応拡大が期待される薬剤は5剤に上る。さらに分子標的合成抗リウマチ薬(tsDMARDs)であるJAK阻害薬もRAでは5剤が承認済みだが、JIAでは2024年にバリシチニブが1剤承認されたに過ぎず、RAに比べ7年遅れであった。実臨床では既承認薬で効果不十分な場合が多く、未承認薬の適応外使用を余儀なくされる。加えて小児に適した剤形が不足する薬剤も存在し、臨床上の課題となっている。本シンポジウムでは、JIA薬物治療の現状をRAとの比較の視点から整理し、そこから導かれる将来展望について概説する。

シンポジウム 2

 
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