日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の薬物治療最前線
金子 開知
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p. 16-

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Abstract

グルココルチコイドは、骨形成抑制と骨吸収亢進を介して骨密度低下と骨折リスク増大を引き起こす。特に投与初期から骨量減少が急速に進行し、骨折に伴うQOL低下が臨床上の大きな課題となる。近年、リウマチ膠原病疾患においては、分子標的薬や免疫抑制薬の使用によりグルココルチコイドの使用を可能な限り回避し、最小限の用量・期間にとどめる診療が重視されるようになっている。しかし、依然としてグルココルチコイドを投与要する症例も多く、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症(GIOP)の予防と治療は臨床上の重要課題である。  この課題に対応するため、日本骨代謝学会は2023年に「GIOPの管理と治療ガイドライン」を改訂し、骨折リスク評価に基づく治療開始基準と薬剤選択を提示した。対象は18歳以上で3か月以上のグルココルチコイド使用予定または使用中の患者とされ、既存骨折、年齢、投与量、骨密度を用いたスコアリングで3点以上の場合に薬物療法が推奨される。  治療薬としては、ビスホスホネート製剤(内服、注射剤)、抗RANKL抗体、PTH1受容体作動薬、活性型ビタミンD薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の使用が推奨される。窒素含有ビスホスホネート製剤は腰椎・大腿骨骨密度増加と椎体・非椎体骨折抑制効果が確立され、強く推奨される。抗RANKL抗体デノスマブも有効性が確認され、腰椎・大腿骨骨密度増加と椎体骨折抑制効果に基づき推奨される。さらに、PTH1受容体作動薬であるテリパラチドは骨折リスクの高い症例に推奨される。加えて、エルデカルシトールなどの活性型ビタミンDは腰椎骨密度増加と非椎体骨折抑制に寄与し、SERMは閉経後女性に限定して使用が提案されている。一方、新規骨形成促進薬に関しては、PTH1受容体作動薬であるアバロパラチドについてはGIOPに対する推奨度は現時点で判断不可とされ、抗スクレロスチン抗体ロモソズマブについても将来の課題とされた。しかし近年、ロモソズマブに関してGIOPを対象とした臨床データが少しずつ報告され始めており、今後の治療選択肢拡大に向けた重要な知見となり得る。今後は、患者背景や併存疾患を踏まえ、骨折リスク層別化に基づいた個別化戦略を構築するとともに、新規薬剤の位置づけを検証することが求められる。本シンポジウムでは、最新エビデンスと2023年改訂ガイドラインに基づき、GIOP薬物治療の現状と展望を概説する。

シンポジウム 2

 
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