主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
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GCP(Good Clinical Practice)制定から20年以上、日本版GCP(JGCP)には大きな改訂がなかったが、近く予定されている改訂は医療機関に重大な影響を及ぼすと考えられる。今回の改訂で示される「考えるGCP」という文化が日本に定着するには時間を要するだろう。厚労省はICH-GCP E6(R3)合意(ステップ4)を受け、省令改正を令和9年4月施行を目標に進めており、リスクベースアプローチ(RBA)、電子化、責任分担の再整理などが柱となる。特に注目すべきは二点である。 第一にシングルIRBへの移行である。従来は各施設が独自に倫理審査を行ってきたが、今後は「一試験一IRB」を原則とする方向性が示されている。これにより審査の迅速化や重複作業の削減が期待される一方、施設IRBの役割整理、費用負担、責任分担の再構築が不可避である。さらに、有害事象発生時のCAPA対応や中立性確保に関する議論も残されており、関係者間の合意形成が求められる。 第二に治験計画書の構造的変化である。ICH E9(R1)で導入されたEstimand概念により、試験目的と解析戦略を明確化するフレームワークが必須となった。特に、スポンサーのみならず、すべての関係者がfitness for purposeに基づくRBAを理解することが求められる。加えて、ICH M11(ステップ3)による電子的に構造化された統一テンプレート(CeSHarP)が導入されると、目的、Estimand、評価項目、スケジュール表、CTQF(Clinical Trial Quality Framework)などの記載が標準化される。これにより透明性と一貫性が高まる一方、医師主導治験においてもSOPや文書管理の抜本的見直しが必要となる。 これらの改訂は、被験者保護を最優先としつつ、効率性と国際調和を両立させることを目的としている。しかし、電子化対応やIRB運用変更、責任分担の再定義など、医療機関にとっては運用負担の増加が予想される。今後、各施設はリスクベースモニタリングやeConsent対応を含む体制整備を急ぐ必要がある。治験や医師主導治験への取り組みを通して方向性を考えてみたい。
シンポジウム 3