主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
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薬剤師は薬の専門家であり、医療における貢献度は大きい。その中でも臨床現場で患者に最適な薬物治療を提供できる薬剤師こそ、私の理想と考える薬剤師である。EBMの実践によって「最善の薬物治療」の普及が進んでいるが、患者一人ひとりに「最適な薬物治療」を提供するためには、多岐にわたる幅広い知識や臨床での疑問を解決する能力が不可欠であり、臨床薬理学会認定薬剤師の取得は、それらのニーズに応えようとする薬剤師の通過点の一つではないかと考える。 私は病院薬剤師として11年間臨床に従事し、その後、薬学部の教員となり現在に至る。病院薬剤師としては、がん化学療法や妊婦・授乳婦薬物療法のカウンセリング業務など、あらゆる部署で、医師や看護師との協同を深めながら薬剤師としての専門性を発揮できるよう努めてきた。それらの経験が認定薬剤師取得の基盤となっている。病院薬剤師としてそれぞれの背景に応じた薬物療法の最適化や副作用マネジメントに注力し、患者の傍で薬物療法を支援できることは大きな喜びであり、仕事に対する最たるモチベーションであったが、一方で、エビデンスを利活用するのみでは限界があり、自らエビデンスを創出する力がなければさらなる成長は困難であると痛感した。奇しくもそのタイミングで、大学に籍を移す機会をいただき、フィールドを変えることとなった。現在は、病院での臨床経験をもとに、薬の適正使用を目指すための抗精神病薬の副作用の解析や妊婦・授乳婦薬物療法に関わった経験から、大学附属病院の医師と薬の乳汁移行予測モデルの構築に取り組んでいる。アカデミアの強みと臨床での視点により自身が見出した知見を現場に還元することが目標である。また、研究だけでなく薬学部での教育にも携わるようになったことで、臨床での疑問を出発点としたアクティブラーニングの実践に取り組むなど、病院薬剤師の経験から学生に薬剤師の魅力を伝えたいと奮闘している。 認定薬剤師の役割は、臨床現場での薬物療法支援のみならず、研究によるエビデンス創出や教育による次世代育成へと広がっている。本発表では、自身の病院薬剤師としての経験、大学における研究活動と教育に関する取り組みを通じて、認定薬剤師が次世代の薬剤師教育や医療にどのように貢献しうるかを考察したい。
シンポジウム 4