主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
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臨床薬理学は「薬物と人との関係のあらゆる側面に関係する学問」と定義され、治療医学の中心に位置する薬物治療の有効性と安全性を最大限に高めるための合理的薬物治療を志向している。その中で臨床薬理学会認定薬剤師は、臨床薬理学に関する高度な知識と錬磨された技能を有する専門家として、国民がより有効かつ安全な薬物治療の恩恵を享受できるように貢献する使命がある。この使命を達成するためには、患者一人ひとりの病態や背景に応じた個別最適化された薬物療法を実現することが不可欠であり、その基盤には薬物動態学、薬力学、薬理遺伝学など幅広い学問領域が含まれる。 神戸大学医学部附属病院薬剤部では、目指してほしい薬剤師としてのキャリアプランを掲げている。入職後はまず幅広い薬剤業務を学び、3年目前後にジェネラルな薬剤師として、ベースとなる認定薬剤師の取得を目指す。その後、各自の興味や専門性に応じて、領域別の認定・専門薬剤師の取得を推奨しており、臨床薬理学会認定薬剤師はこの位置付けに含まれ、臨床研究や学術活動を通じて薬物療法の向上に貢献する薬剤師が取得を目指している。 私はこれまで、主に臨床現場で得られた薬物血中濃度データを用いた薬物動態モデル解析を実践してきた。臨床薬物動態解析では、患者から得られる血中濃度データを統計学的手法や薬物動態モデルに基づいて解析することで、薬物の体内動態に影響を及ぼす因子を定量的に明らかにできる。これにより、個体間および個体内のばらつきの背景を理解し、患者個別の背景因子を考慮した合理的な投与設計が可能となる。また、新生児など臨床試験のデータの乏しい特殊な集団における薬物動態の特徴を明らかにし、適切な薬物治療を構築するための有効な手段ともなる。特に薬物動態解析は薬剤師が最も得意とする分野であり、これらの解析を通じて新しいエビデンスを生み出すことは、認定薬剤師が臨床現場で専門性を発揮する上で重要な役割であると考える。 本発表では、私がこれまで関わってきた先天性サイトメガロウイルス感染症におけるバルガンシクロビルの薬物動態・薬効解析を中心にこれまでの研究活動を紹介し、臨床現場における認定薬剤師の活躍について意見交換したい。
シンポジウム 4