抄録
本研究では,パームスタンプ法を用いた視覚的介入ならびに,皮膚常在菌の湧出を抑え一過性菌の除去に有効な『手洗い方法』が,業務中の手洗い技術改善に与える効果について検討した.中規模病院の看護職者20人を対象にパームスタンプ法を用いた手指汚染の可視化による介入を3回実施し,手洗い前・後の細菌コロニーを比較した.2回目は協力者別にパームスタンプ結果画像を返却すると共に,本研究の『手洗い方法』を提示した.介入前の【無関心期】は細菌コロニー数の有意な減少を認めなかったが,介入後の【準備期】【実行期】では有意に減少していた.一過性菌は全時期において有意に減少し,皮膚常在菌は【実行期】のみ有意な減少がみられた.パームスタンプ法による視覚的介入と本研究が推奨する『手洗い方法』は,一過性菌の除去のみならず皮膚常在菌の湧出を抑える効果があり,業務中の調査時における手洗い技術改善に効果がみられた.