医療の質・安全学会誌
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学術集会報告
第16回医療の質・安全学会学術集会特別企画「分娩周辺期医療でZero harmを実現する」安全で質の高い分娩周辺期医療をチーム全員参加で実現する
安田 あゆ子
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2022 年 17 巻 2 号 p. 164-170

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抄録
妊産婦安全共同プロジェクトは,世界保健機関(WHO)による『世界患者安全の日』に呼応し,周産期と安全・質の専門家の英知を結集して,医療による害のない世界を実現するため,国内向けの戦略を立てることを目的に始まった.WHOの世界患者安全行動計画2021-2030に沿って,今後10年間で妊産婦そして新生児の安全を高めるために,誰がチームに必要なのか,共有すべき価値は何で,目的は明確に共有されているのか議論した.なぜ分娩周辺期の有害事象がなくせないのか,患者,医療者,技術・ツール,業務,チーム,環境,組織などの面から分析し,根本原因を解決する改善策を3つに絞り込んだ.一つ目は妊産婦が主体的に医療に参加できるよう,統一のリスク共有ツールを開発し,共同意思決定を推進することを提案する.次に産科救急に多くの関係者が関わる中で目指す姿を明確化し,更なる質改善のために共通のプロセス質指標などを開発し,共通の目標とすることが必要と思われる.三つ目に国内に多く存在する1次分娩施設の安全文化の向上を図るため,そのような組織において利用できる簡便な報告プログラムを導入し,後方施設の連携の在り方も含め,地域全体で心理的安全性を確保するための第一歩を踏み出すことを提案したい.
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