抄録
保健師・助産師・看護師は,罰金以上の刑に処せられたり,その業務に関し犯罪または不正行為があったりすると,保健師助産師看護師法によって,戒告,3年以内の業務停止,免許取消,いずれかの行政処分を受けることになる.2001年度から2020年度までの20年間でのべ404名(保健師31名,助産師3名,保健師助産師両方の資格者1名,看護師364名)が処分されており,年平均20.2名であった.5名の看護師が2回処分を受けていた.処分理由別・処分内容別では,交通事犯,詐欺・窃盗,医療事故を理由とする処分が多く,この3つの理由で全処分の過半数を占めていた.交通事犯の多くと医療過誤を理由とする処分は業務停止6月以下に留まっていたが,詐欺・窃盗に対しては重い処分になっていた.さらに,殺人・傷害や性犯罪では免許取消処分が多かった.
刑事処分を反映し,過失による事故に対する行政処分の業務停止期間は短めに,故意犯に対する処分は厳しいものとされていると考えられた.