医療の質・安全学会誌
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ベストプラクティス報告
輸液における思い込みミスを無くすための取り組み
田口 浩子清水 真由子浅田 早紀狩野 理恵笠原 光子富所 順子神田 大輔吉永 輝夫西田 保二
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2007 年 2 巻 1 号 p. 101-105

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抄録

輸液治療は日常広く行われているが, 輸液時のヒューマンエラーは重大な事故に至ることがある. 輸液業務において, すべての看護師が輸液ミスの重大性を認識して, 集中力・注意力・緊張感を持続させ, ミスが起きないような意識を高めるための対策を検討した.
アンケート調査に基づいた改善策として, 白血病治療センター (以下当センター) 独自の “点滴施行マニュアル” と携帯用に新たに作成した “点滴施行時の確認事項” を毎日, 各勤務時に復唱することにした. 復唱・指差し呼称することは当センター全体のスタイルとして定着し, 問題意識を共有することが可能となった.
しかし, 以前集中発生した致命的となりうる輸液ミスはなくすことができたが, より軽度なミスも取り上げられるようになり, 結果として報告件数が増えた.
今回, 有効であった改善策を今後も継続していくこと, 個々の経験や能力に応じた看護教育・支援を確立していく環境や組織づくりが, 今後の課題として挙げられた.

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© 2007 医療の質・安全学会
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