医療の質・安全学会誌
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報告
医療の質向上への取り組み:ピアレビューとしての事例検討会の意義
遠山 信幸百瀬 ひろこ水上 由美子井野 隆史
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2007 年 2 巻 2 号 p. 146-151

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抄録

当センターでは医療安全管理室を中心に職員からのインシデント・アクシデントレポートの提出と解析に力を入れ,医療行為に関わる全ての有害事象や経過中生じた重大合併症(26 項目)もその報告を義務付けている.報告総数は平成15 年度: 6,607 件,16 年度: 9,515 件,17 年度: 13,288 件で,医師からの報告は各々232 件,245 件,340 件だった.報告を元に重要事例に対しては,後日原因究明と再発防止を目的とした事例検討会を開催し,ピアレビューを行っている.事例検討会は副センター長と医療安全管理室長が主催し,当事者(担当医),関係医師,コメディカルスタッフを含む第三者的医療従事者等約十数名が参加するもので,再発防止策として種々の指針やマニュアルが作成実行された(平成18 年12 月まで計86 回開催).検討内容は毎月の診療連絡会議で各部門長(科長,医長,看護師長,技師長,薬局長など)に報告,全医師に対しても事例検討報告会(年2 回)や書面で周知徹底している.

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© 2007 医療の質・安全学会
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