抄録
本稿は、戦前・戦時中の社会学からする社会問題および社会事業研究の検討をテーマとするものだが、筆者の力量から、資料としてはつぎのものに限定せざるをえなかった。大正一三年五月に創刊されて七七号を数え、昭和五年九月号で終刊した月刊誌『社会学雑誌』、およびそのあと昭和六年から四冊出された『季刊社会学』、さらに昭和八年から一一輯にわたって昭和一八年に終った『年報社会学』である。このほかにも、社会学者の手になる社会問題・社会事業研究の単行本などもたずねなくてはならないし、『社会事業研究』には社会学者の執筆もかなり見られたが、今回の検討には間に合わなかった。以上のように、資料的に限定された論稿であることをあらかじめおことわりしておく。