抄録
「社会的相互作用をどう捉えるか」という問題は社会学の古くからある基礎的テーマである。しかし、これまでにおいて社会的相互作用そのものの内容が立ちいって検討されるということは意外と少なかった。ここでは社会的相互作用を「シンボリックな相互作用」として捉える。そのことによって、人間の「解釈」、シンボルの内的論理がそこにおいて展開されていることを知る。そしてそれが社会的相互作用を生成発展的、創造的でダイナミックなものとしていることが明らかにされる。その際、シンボルの内的構造と社会構造的現実とがいかに関連しているのか、このことを理解することが欠かすことのできない重要な問題となる。ここでは「シンボルの弁証法」、「社会と自我の物象化」、およびその関連が主として考察される。