社会学評論
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アメリカ社会における人種エスニック編成
エスニシティのナショナルな条件
南川 文里
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2004 年 55 巻 1 号 p. 19-32

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抄録

本稿は, アメリカ合衆国におけるエスニシティと人種を, そのナショナルな文脈を考慮することで関係的な概念として再定義するものである.ポスト公民権期のアメリカでは, 文化多元主義と多文化主義という2つの潮流のもと, 対抗的なエスニシティ論と人種論が展開されてきた.その過程で, 社会構築物としての「人種」が, 不平等な社会構造を再生産する過程を社会学的に分析する人種編成論が登場したが, エスニシティと人種の概念的な関係を条件づけるナショナリズムの存在について十分議論してこなかった.
そこで, 本稿は, アメリカの両義的なナショナリズム (市民ナショナリズム/人種ナショナリズム) が, エスニック集団の形成にどのように作用するかを考察し, 「人種エスニック編成」という枠組を提示した.人種エスニック編成における集団化とは, アメリカの市民ナショナリズムを土台として, (1) エスニック化 (「ホームランド」との結びつきにもとづく水平的な差異化), (2) 人種化 (人種ナショナリズムのルールにもとづく垂直的な序列化) という2つの過程によって条件づけられていることを示した.

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